構図をしっかり決めずに写真を撮っていませんか?
プライベート写真であれば、ある程度の構図で撮っても問題はありません。
しかし、プロを目指すのであれば構図をしっかり決めて撮影しないといけません。
構図は写真の決め手だからです。
美しいと言われる写真は構図がしっかり考えられています。
決してセンスだけではありません。
しっかり学べば誰でもプロとして仕事で通用するようになります。
構図を学び、プロフェッショナルな写真を撮れるようになりましょう。

最後にプロの構図を決め方を伝えているよ。
構図は写真の決め手
なぜ構図が写真の決め手と言われるのでしょうか?
それは写真の品質と効果を向上させるために以下の理由で重要だからです。
1・視覚が安定する
2・主題が分かりやすい
3・全体のバランスが整う(見栄えが良くなる)
4・感情や物語が伝わる(視線の誘導)
5・製作者の意図の伝達(メッセージ性)

構図には観る人の視覚や感情を誘導する効果があるよ。
1・視覚が安定する
構図が良くないと何を見たら良いかわからなくなり、写真全体が見づらくなります。
逆に良い構図は魅力があり、観る人の目を引きます。また、重要な要素を際立たせ興味を引きます。

2・主題が分かりやすい
構図が良くないと主題が際立たない為、一番重要な部分を見落とすことがあります。
良い構図は写真の伝える物語が理解しやすく、観る人の感情に影響を与えます。適切な構図を使うことで、写真に含まれる情報や感情がより効果的に伝わります。

3・全体のバランスが整う(見栄えが良くなる)
構図が良くないと写真全体のバランスが崩れる可能性があります。これにより写真が不安定で見栄えが悪くなることがあります。
逆にバランスの取れた構図は見栄えが良く、心地良いものです。

4・感情や物語が伝わる(視線の誘導)
構図が良くない場合、伝えるべき感情や物語が効果的に伝わらないことがあります。視覚的な誘導が不十分であるため、写真から受ける印象が薄くなることがあります。
良い構図は観客の目を誘導します。対象物に向かって視線を誘導し、重要な要素に集中してもらうことで写真の持つ物語や感情を伝えられます。

5・製作者の意図の伝達(メッセージ性)
構図が良くない場合、写真家の意図やメッセージが十分に伝わらない可能性があります。これにより、写真の意味や目的が曖昧になることがあります。
良い構図は写真家の創造性と表現力を示すための重要な要素です。写真家の個性やスタイルを反映し、より魅力的なものにします。

これらの理由から、構図は写真の品質と効果を向上させるために非常に重要です。
代表的な構図
構図の種類は細かく分けると沢山ありますが、ここでは特に代表的なものを紹介します。
以下の構図は覚えておくと良いでしょう。

よく使われる基本の構図を覚えよう
日の丸
日の丸国旗のように主役を中央に配置する構図です。
注目を集め目立たせる効果があり、伝えたい事をストレートに伝えられるメリットがあります。


2分割
中央で2分割する構図です。
安定感や美しい印象を与える事ができます。2つのものを左右対称に撮影する時に有効です。


3分割
縦横を3分割する構図です。
被写体が見やすくなり、安定感を与えます。


対角線
被写体を斜めに配置させて奥行きを付けたり、動きを出す構図です。
迫力を出したい時に有効です。


三角形
写真の中に三角形ができるように被写体を配置する構図です。写真が安定しやすいので安心感を与えます。
また、逆三角形で撮影した場合は、心理的に不安感や緊張感を与えますが、重心が低いため構図全体にダイナミックな印象を与えます。


黄金比
最も美しいバランスと言われる構図です。
比率が 【1:1.618】 として表され、自然界の様々なものに存在し、人間の目に非常に心地よいと感じられるため、多くの芸術作品やデザインに採用されています。
例:パルテノン神殿・ピラミッド・「モナ・リザ」・貝殻の渦巻き・ヒマワリの種の配置など


撮り方のコツ
基本的な構図を覚えたら、実際に撮影してみましょう。
その際に役立つのが【グリッドライン】です。
カメラにグリッドラインを表示する設定があるので、それを活用します。



グリッドラインに合わせて撮影する
なるべく正確な構図で撮るには被写体をグリッドラインに合わせるのがコツです。
日の丸の場合
日の丸構図は三分割グリッドを使用します。真ん中に配置しやすくなります。

2分割の場合
2分割構図は方眼(4分割)を使用します。
上下の場合は真ん中の横線、左右の場合は真ん中の縦線を使います。

3分割の場合
3分割構図は3分割グリッドを使用します。
被写体を3分割するようにグリッドを使いバランスをとります。

対角線の場合
対角線構図には対角線グリッドを使用します。
被写体を対角線に置いたり、ラインに沿わせたりして配置します。
構図に慣れてくると逆にグリッド線に惑わされてしまう感覚になる時があります。その場合はグリッド線は外しましょう。

三角形の場合
三角形構図はグリッドをマス目として使用すると効果的です。
三角形の先端部分をどのマスに置くかを決めると安定しやすくなります。
細かく調整したい場合はなるべく細かいグリッドを使用すると良いでしょう。

黄金比の場合
黄金比と3:2の対比のカメラでは、そもそも比率が違うので撮影後にトリミングをします。
グリッドも【ファイグリッド】といってカメラ設定には無いグリッドになるので、
ファイグリッドに近い3分割グリッドを使用して撮影すると良いでしょう。
3分割よりも少し内側のグリッドになるので、やや内側を意識して配置したり、
線と線が交わる部分に被写体を置くようにしてみると黄金比に近いものになってきます。
※きっちり黄金比にするにはPhotoshopなどでトリミングしましょう。


構図の決め方
構図の重要性も種類も分かったけど、どうやって決めたらよいか分からない。
そんな問題を解決する方法をこれからお伝えします。
被写体の特徴を探す
まず初めに【被写体の特徴を捉える事】です。
代表的な例として、被写体は『縦長』なのか、『横長』なのか。
基本的に縦長のものは縦写真。横長のものは横写真とされ、まずは縦で撮るか横で撮るかを決めます。
次に『左右対称』なのか、『奥行き』があるのかなど、被写体の一番見せたい部分を探します。
見せたい部分が定まったらそれらを活かす構図を選びましょう。

1.縦で撮るか横で撮るかを決める
2.被写体の特徴を探す
3.特徴の一番見せたい部分を元に基本の構図に当てはめる
といった順序で構図を決めましょう。
※縦長の被写体でも、周りの他の部分も活かしたい時は横で撮影することもあります。
構図のまとめ
●良い構図はバランスが良く、観る人に感情やメッセージを伝える事ができ、興味を惹ける。
●悪い構図は観る人が混乱し、意図も伝わりにくく疲れさせてしまい、興味が失せる。
●代表的な構図(6種類)を基本として覚えておくと良い。
●撮り方はカメラファインダー内のガイドラインを使って撮影する。
●構図の決め方は撮るものの特徴を捉える事。
最後に ~ プロはこう考える ~

最後にプロはどうやって構図を決めているかを伝えるよ
プロの世界では、人物、風景、物品、出来事など、写すものは様々です。
10パターンの場面では都度10パターンの構図を考えて撮る事がほとんどです。
被写体の特徴を最大限に活かす事は大前提ですが、
納品の形によっては1枚の構図より、全体の出来上がりの印象を優先させる事もあります。
それを踏まえて構図決めを行っていきましょう。
構図決めの手順
手順としては以下のように進めます。
1 全体の仕上がりのイメージを確認する
最終的な形がどのような仕上がりになるかを確認するのは必須です。
例えば
・1枚で表現をするのか・・・・・・・・・・・(ポスターや看板)
・組み写真として表現するのか・・・・・・・・(コマ送り)
・一冊の本として表現するのか・・・・・・・・(アルバム)
などです。
写真点数が増えると同じ見せ方では飽きてしまうので、
それぞれが主張しすぎずに全体のバランスを整えたり、メインで見せたい物を引き立たせるような見せ方(魅せ方)が必要です。
仕上がりのイメージによっては、基本的な構図を崩す事が必要な場合もあるでしょう。

2 被写体を確認する
撮影するものは何かを確認します。
被写体の特徴はもちろんですが、被写体との必要距離、必要な撮影機材、実際の撮影場所など
現場で必要になるものも事前に確認しておく事ができます。

3 一番見せたい部分(最優先部分)の確認をする
被写体の一番見せたい部分はどこなのかを必ず確認します。
物でも人でも風景でも、最優先に見せたい部分は必ずあります。
最優先させる部分をメインに考え、構図を決めていきます。

4 何枚(何パターン)で表現するかを確認する
どのくらいのパターンが必要かを確認しておきます。
1つの被写体に対して1パターンのみという事は、ほぼありません。
1枚で表現する場合でも、何パターンか撮影したものの中から選びますので
1つの被写体につき最低でも3パターンは考えておく必要があります。
クライアントが『10パターンで表現したい』となれば
10 × 3 = 30 パターンを目安に考えておきます。

魅せ方を提案してみる
クライアントによっては、ハッキリとしたイメージが纏っていない事もあります。
出来た写真を基準に広告やHPを作る、という事もあります。
そんな時は自分から見せ方(魅せ方)の提案をしてみる事で他のカメラマンとの差別化になります。
提案する時は以下の事を意識しておきましょう。

場合によっては撮影者側からの提案も必要になるよ
1・ クライアントが何を伝えたいのかを引き出す
イメージが纏っていないという事は、クライアント自身も何を伝えたいのかがハッキリしていない場合があります。
そんな時は打合せの中で相手の意図を引き出す必要があります。
クライアントが企業の場合、まずは打合せ前にHPや資料などを見て相手の事を知っておくべきです。
会社の理念や方向性に沿って提案することで、段々とイメージの糸口が見えてきたりします。
個人相手だったり資料が無い場合でも『どんなものに魅力を感じるか、感じないか』『元気なものが良いか、静かなものが良いか』など2択の質問を投げかけて、答えを選択してもらいながらイメージを固めていきます。
2・ 見る人の心理を意識する
イメージがある程度固まったら、作者側(クライアント)の考えに偏りすぎていないかを再度確認します。
特に広告などは、見る人達が購買欲を刺激されないとあまり意味がありません。
作者側の意見を取り入れつつ、見る側の心理を考えて提案できると良いでしょう。
※状況や立場もありますので、撮影者の意見を求められている前提です。
3・ 可能な範囲で提案すること(信用問題)
良いと思ったら何でも提案したらよいという事ではありません。
出した提案が実行不可能の場合、『この人はただ願望を言ってるだけなのでは・・・?』と信用を失いかねません。
必ず実行可能かを【その場で】しっかりと考えて提案をしたり、受けたりしましょう。
日常で色んな表現の構図を学ぶ
世間はケータイでの写真に慣れ親しんでいる為、
経験が豊富なカメラマンでも常に新しい知識を取り入れていかなければなりません。
写真サイズ(縦横比)は 3:2 であるべき、という考えは古く16 : 9 の場合やそれ以外の場合も増えてくるでしょう。
それに応じて構図を考えていったり、新しいものを産んでいかないといけません。
構図のヒントは日常の様々な場面にあります。
広告や映画の撮り方を見るのも良いですし、【本棚の陳列】【建築物】【お店の内装】【草花の形】など身の回りのものに目を向けると良いでしょう。
自分が目にした時に心地よさを感じたら、【なぜ心地よく感じるのか】を考えるクセをつけましょう。
日常から得たヒントを撮影に活かすことができたら、いままでと同じものを撮ったとしても
全く違う印象の写真になっていくでしょう。

基本と多様性、両方できると強いカメラマンになれるよ

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